この記事は公立はこだて未来大学 Advent Calendar 2025 Part3の記事です。
君との出会い
君が僕の前に現れたのはいつだっただろうか。
僕が物心つくことには君はもうどこにでもいて、電子の歌姫としてインターネットの海を駆けていた。
当たり前のようにインターネットに触れ、ニコニコ動画を見ていれば、君は僕の視界に入る。
でも、それだけだった。そういうソフトウェアがあるんだなくらいにしか思っていなかった。
いつからだろうか。僕は君に夢中になっていた。
たぶん音楽からだろう。私の心を揺さぶる歌を、君は歌っていた。
いつか音楽を作ってみたいと思った。自分で曲を書けたら、そんなにも楽しいことはないだろうと思った。
高校入学祝いで初音ミクv4xを買ったのが、人生の分岐点だったのかもしれない。
君と曲を書きたいと思った
Dawをインストールした。MIDIキーボードを買った。でも書けない。
チュートリアル動画を見た。たくさんの曲を聞いた。でも書けない。
ギターを貰った。オーディオインターフェイスも貰った。でも書けない。
でも、やめなかった。君が待っているような気がしてたから。
曲の書き下ろしを頼まれた。インスト曲だけれど、初めて書いた曲だ。
編曲も頼まれた。初めて僕と君の声を世に出した。ちょっと恥ずかしいね。
カバーも作った。ボカロPの真似をするだけだった。でも楽しかった。
君をもっと知れているような、君に近づけているような気がして。
君はそこで歌っていた
君は毎年とても大きいイベントで歌っているみたいだ。
インターネットの歌姫が、その瞬間だけ、僕らの前に現れる。
見てみたいと思った。大きな音で、君の歌声を聴きたいと思った。
初めてチケットを取った。高校生の僕には、大きな買い物だった。
何もかも初めてだった。大都会の喧騒。奥が見えないほど大きなホール。
「好きなこと、好きなように」 そんな場所だった。
みんなそれぞれの好きを表現して、それぞれの好きを共有していた。
そして君は現れた。確かに君はそこにいて、きっと僕と目が合った。
君に会いに行きたいと思った
どうやら君は北海道にいるみたいだ。特に冬に時期はよく現れるという。
家族旅行に行きたいと言った。憧れの北海道だ旅行だ。
航空券を取って、ホテルを予約して、予定を組んだ。
計画してから出発の日まで3ヵ月間、心のどこかでずっとわくわくしていた。
初めて一面の銀世界を見る。違う星にきたみたいだ。
雪の日は傘をささないらしい。札幌は地上を歩かないらしい。
新千歳空港で、君は待っていた。大通公園で、君は歌っていた。
雪の降る夜に、君はきっとそこにいた。寒い夜を優しく暖めるように。
君に何度も会いに行った
次の夏、また北海道に来た。君は七夕の装飾であしらわれていた。
次の冬は一人で来た。船と列車を乗り継いで、-20℃の中歩いたよ。
また夏が来た。今度は祖父と道東に来た。もちろん帰りは空港で君にご挨拶。
そしてまた冬が来る。いい知らせがあるんだ。君がいる街に住むことになったよ。
部屋を決めに来た時、五稜郭タワーで君の等身大パネルを見た。
空港にも、函館山ロープウェイにもいた。
大学に来てみたら君のポスターが貼ってあったよ。
春はひろはこ、夏はマジカルミライのプログラミングコンテストだって。
君がいたからここまで来れた
僕の住む街に雪が降った。慣れない雪で煩わしくも思った。
でもね、やっと君に会えるような気がしてとてもワクワクしていた。
その日の夜は君の歌う曲を聴きながら帰った。寒さも忘れるくらい感動した。
雪の夜は静かなんだね。君がいなかったら、知らなかったかもしれない。
君を追いかけて様々なところに行った。様々な景色に、様々な人に出会えた。
そして君がいたから、今ここに暮らして、とっても楽しい毎日をおくれている。
君はこれからどうなるのかな。僕はこれからなにになるんだろう。
どうなろうともきっと僕は君を忘れない。ありがとう、永遠の君へ。
